なじょもん友の会の研修旅行で大地の芸術祭めぐりに出かけてきました。この企画はなじょもんに移築民家が欲しい!との提案が動き始めたので、芸術祭のなかでも空き家プロジェクトを中心に、古民家の運営や対応、そして資金集めなどを学ぶ研修です。
まず最初に訪れたのが割野の旧織物工場です。作家は津南とも縁のある瀧澤 潔さんで雪国の陰と陽をテーマにした作品で、1階にあるのが陰の展示だと思います。
暗い工場にTシャツの照明器具が綺麗な作品でした。
2階は天井から吊るしたテグスが不思議な空間です。雪を想わせるふんわりとした天井が風に揺れる手間のかかった作品で、作家さんからも丁寧な説明をいただきました。
続いて上野の旧公民館を利用した 田 京子(韓国)さんの作品で大地をイメージした抽象画の展示です。
外のゲートボール場には管懐賓(中国)の作品があります。バックには綺麗な田んぼと山が見えいいところです。
今度はマウンテンパークの蔡 国強(中国・米国)の登り窯の周りでJ・馬文とステファンバンツさんの墨塗りの作品です。私たちが訪問した時はまだ開会時間前だったので、最後の清掃をしていましたが、草に墨を塗っただけの作品です。あれでお盆まで持つのか心配です。
マウンテンパークのゲレンデには滝沢達史さんの山文字プロジェクトがあります。ひまわり畑から丁度良く見えるように設置された文字は「山」の字で作品の上にはドームのような小屋があります。実はこの小屋の竹は、我が家の竹林から切り出した竹で、彼らとは最近知り合ったばかりですが、若いのに礼儀正しく好青年たちです。
津南から松之山に向かう途中はご覧のような棚田や民家がいい雰囲気を出しています。都会から来たらきっと感動するでしょうね!台地の芸術祭はこの地域の自然に大いに助けられていると思います。
松之山に入って下えび池の塩田千春さんの「家の記憶」古民家に蜘蛛の巣のように張り巡らせた黒い紐が不思議な空間をつくりだしました。
どうやって作ったのか?とても手間のかかった作品です。
続いて手塚貴春さんの黒いレストラン?とにかく外はもちろん中まで真っ黒、トイレの便器まで真っ黒。イタリアレストランになると聞きました。
松代エリア最初の古民家は大谷俊一「影/来し方行く先」奴奈川村の中心地、室野の120戸から集めた写真をスライド化してガラスで挟み民家の窓にはめ込んだ作品です。これは良い作品でした!透き通ったガラス越しに茅葺屋根や緑の木々が見え、目を写真に向ければ懐かし村の暮らしが蘇ってきます。
よく見れば私と同じ年代か?赤塚ギャグのシェーをやっている写真がありました。「ああこんなことあったよなー」時間があればもっと見たい作品です。
2006年に発表された、イケメン鞍掛純一さんの作品で「脱皮する家」とにかく仕事量が凄い!日大芸術学部彫刻コース有志が手伝ったとしても凄いの一言。本日の撮影は三脚なしの撮影なので暗い民家の中では苦労しました。ここでは宿泊も出来ると聞きました。風呂上り素足で歩けば気持ちいいですよ!
ちょっと明るい玄関部分であやっとピントが合いました。どういう訳か室内ではピントが合いにくい作品です
「脱皮する家」の奥にあるのが同じ作家による「コロッケハウス」丁度お腹がすいて来た所なので揚げたてのコロッケでも出てくるのか思えば、民家をアルミと錫だったか?スパークさせて包み込んだ作品です。
2階からの村の景色が良い感じです。もっとも手摺がありませんのでご注意を!
次に蓬平地区の2006年古巻和芳+夜間工房の「繭の家」集落で繭を復活させ作品にしました。箱の中からは蚕が桑の葉を食べている音が聞こえます。
床に空いた小さな穴からは蓬平の集落が繭を使って表現されています。冬の集落を上空から見たような不思議な覗き穴もお忘れなく!
この集落の民家の壁には松代らしい広報無線アンテナが付いています。じゃなかったマーリア・ディルッカラの照明器具が付いています。
夕暮れになると集落を照らす灯りになるそうです。
小荒戸のキジマ真紀さんの「ファンシーガーデン」作品は好きになれませんが、地元の接待が良くて印象に残りました。
同じ場所にペルレ・クラウセさんの作品の玄関先です。これも駄目です。中は真っ暗の中に造花や石があったのですが、暗くて三脚なしではとても写せませんでした。
犬伏の中村敬さんの和紙による作品です。暗い民家に和紙のオブジェが綺麗です。地元伝統技術が復活した作品だと聞きました。
2階には和紙の照明が良い雰囲気を出していました。
今回の大地の芸術祭から外された作品、前回大人気で私も3回も見に行った菊池歩さんの「こころの花」です。
詳しい経緯は知りませんが、今回は自主的に運営しています。妙丘山からの案内看板から受付まで、集落の皆さんが協力して運営しているのだと思いました。市長が北川フラムさんにお願いしたが参加は駄目だったとも聞きます。有料(300円)ですが皆で応援しましょう!
今回参加したなじょもん友の会の参加メンバーです。町の運転手付きのバスで大地の芸術祭に精通した案内人(友の会副会長)が付きました。おかげで1日フル回転で空き家プロジェクトを見ることが出来ました。
車中からの見学を含めると50箇所くらいは見れたと思います。
下条の上新田にある旧公民館を改装した「妻有田中文男文庫」に韓国のカン愛蘭のLEDによる作品です。建物や作品というよりは、銀行が支援している作品とはどういったものかを参考にしたいと思いました。
二ツ屋のアントニューゴームリーさん「もう一つの特異点」吹き抜けの民家に白い紐が無数に張られています。
ある一点から見ると人の姿に見得るとか、作品を引き立てる古民家も一見の価値あり。(売りに出ているとか)
しかしここまで入るのに下から歩くのは大変!私たちは大雨で身障者も居たので、そのまま車で入って係りの人に注意されました。
ここだけではなく何処に行っても身障者には難儀な芸術祭でもあります。
健常者はと言えば・・・これもクタクタでした。もっとも強行軍でしたので無理もありません。毎週のんびりと廻れれば良いのですが、なかなか休みが取れなかったり、他のイベントがあってそうそう出かけられません。
私も以前は話題になった作品くらいしか見ておりませんでしたが、今回の研修旅行で遅ればせながら大地の芸術祭が好きになりました。へんな意地を張らずに、良いものはどんどん吸収すれば良かったんだとと後悔しています。